糖尿病とインスリンその2

1型糖尿病は本当に厄介だ。インスリンが枯竭してからというもの、食べる量や運動量、季節の温度などもあらゆる面でインスリン量に影響してくる。枯竭してからという言い方には語弊があるが、まあ枯竭してからは特に酷いと感じる、というような意味だ。

風呂だって、熱いシャワーを気持ちいいからといって首にしばらく当て続けているとぐっと急激に低血糖になってしまったり、ほんとうにちょっとしたことで、血糖値が乱高下してしまうのでとても大変だ。

特に問題なのは、低血糖状態が頻繁に起こるようになると、血糖値が低い状態で体がだんだんと慣れてきてしまう。慣れてくると血糖値が40とか30台でも全然意識がしっかりしていたりする。しかしそれで安心していたりするととんでもないことに繋がったりする。低血糖状態に慣れきった状態が長く続いていたある日、仕事中に低血糖であろう感覚がしていたが、仕事途中でどうにも抜けられず、もう少しの辛抱と頑張っていた。意識がしっかりもっていれさえすればなんとか持ちこたえられるだろうと思っていたら、急に真っ直ぐに立てなくなった。たとうとして踏ん張ってみても体が伸びずに転んでしまうのだ。何度もそんなことを繰り返していたので、職場の人は何事かと目を丸くしていた。当時は糖尿病のことを会社には黙っていたので話すこともできず、なんとか隙を見てジュースを飲んでなんとか血糖値を上げることができたが、あれにはまいった。後でどこか悪いんじゃないかと、親しい同僚にずいぶん声をかけられることになったが、なんとかうまくごまかす他なかった。

その後、早朝に少しやっていたバレンタインアルバイトのときにとうとう、上司の前で低血糖でまっすぐにたてなくてふらふらなのを見つかり、無理やりタクシーで家に返されてしまった。それが元でバイトは首になってしまった。

そのまま、それを機会にとうとう入院して治療することになってしまった。