1型糖尿病患者になって思ったこと

私は1型の糖尿病患者である。

糖尿病を発病してかれこれ20年以上になる。

初めて糖尿病ですね、と言われた時には、ふ~~~ん、そうなのか。とただそう思っただけだった。

なんせ生まれて初めて風邪以外の病気を宣告されたので、まあ仕方ないのかな、くらいの感じだった。

病院へ行くとよく聞かれたことは、ご家族に糖尿病の患者さんはいらっしゃいませんか?ということだった。

いいえ、家族内には誰一人糖尿病患者はいません。

おじいちゃんやおばあちゃんも親戚にも誰もいないんですけど。聞かれるたびに私はそう答えた。

医者や看護師の人たちが言うには、糖尿病になるっていうことは遺伝によるところが大きいから

必ず両親かおじいちゃんやおばあちゃんに糖尿病の人がいるはずだよって、そんなことを言われること

が、多かった。

当時、実際に私の家族や近い親戚には誰一人そんな人はいなかったので、仕事でかなりの不摂生を

したからきっとそのせいで突発的に糖尿病になったんだろう、くらいに思っていた。

医者や看護師から、糖尿病は治す病気じゃなくてずっと付き合っていく病気になるから(つまり完治しない

病気だから)食事制限とか運動療法とかを組み合わせて上手に暮らしていけるように頑張ってね、と

言われたので、これまた大丈夫だろう、くらいに軽く思っていた。

ちなみにこの時の私の糖尿病の知識はほぼゼロだったので、1型とか2型とかそういうことすらわからなかったし

発病当時は、医者も全く型のことには触れなかった。どうせ話してもまだわからないだろうと思っていたのだろう。

事実、それから数年にわたり、自分が何型なのかよくわからなかったし、病院もはっきりとしたことは言ってくれなかった。

発病当初、インスリン投与を受けたが、すぐに飲み薬のみとなり、2年ほど症状が改善されてきたので、

糖尿病とはいえ、軽い部類なのだろう、これならちょっとした食事制限と軽いジョギングくらいやってれば

ほぼ普通に暮らしていけるんじゃないか、そんなふうに思ってた。

今だからわかるのだが、当時のそれはあきらかにハネムーン期だった。

事実、1年もたたないうちにインスリン投与の状態へ逆戻りした。

1型糖尿病の全くの典型的パターンじゃないか。

でも家族も自分もまだ心のどこかで、きっとよくなる!と信じていた。

厳密には、単なる糖尿病についての知識が欠落してただけなんだが、、、

数年に1度は必ず血糖コントロールが悪くなり、そのたびに入院して血糖改善のために頑張っていた。

でも親しい友だち数人には自分が糖尿病だってことを話したが、基本的にそれ以外の人、

会社の人や近所の人、親戚の人にも糖尿病のことは言わなかった。

言わなくても問題なかったのがひとつと、当時の世間の糖尿病の認識では、糖尿病なんて

贅沢病だ!くらいの認識だったから。

事実、会社の仲の良かった先輩にもあいつのは贅沢しすぎてなった病気だし、全然問題ないよ~

そんなふうにいつもいわれてた。

それを聞いて、俺は1型糖尿病患者なんだ!贅沢してたからなったんじゃないよ!って心のなかじゃ

いつもそうつぶやいていたな。

この後は、10年近く血糖コントロール不良で何度も入院することはあっても、入院中もさぼらず、

こっそり物をかったり、病院を抜けだしておいしい食事を食べに行ったりとかそういう不良患者には

ならず、結構まじめにやってた。

だけど、10年近くになった時に初めて衝撃な事実を知ることになる。

続きは次回。